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疼痛ゼロの日2017 質問と回答② しびれについて


NPO法人 ペイン・ヘルスケア・ネットワーク代表理事の江原です。

 

昨年11月に行われたリハビリシンポジウムの質疑応答のコーナーの質問回答続きです。

 

Q.しびれに対しての対応も痛みと同様に考えるのでしょうか?痛みの訴えと同じようにしびれの訴えも多く困っています。

 

A.リハビリテーションにおいては、そのしびれがまず何によって起こっているのかを仮定し、アセスメントを行い原因を予測します。原因が分かったうえで対応方法が決まって来ると考えます。

ここは完全に私見ですが基本的にチームで対応し、様々な方法があると思ってください。

 

まずはしびれを起こす疾患や状態を列挙してみましょう。

1.腰部由来 間欠性跛行(神経性・血管性)

2.腰椎由来 神経根症状

3.神経障害性疼痛 アロディニア

4.その他

 

私がまず行う評価は、問診で「そのしびれって正座した後のしびれと同じですか?違いますか?」です。

正座と同じ=触るととんでもないことになる、です。触っても問題ないのにしびれている場合は神経や血流などの器質的な要因は低いと思います。まずここで大きく分かれるので必ず確認してください。

 

1.の間欠性跛行の場合は、神経原性なら必ず歩行で増悪し、しゃがんで休めばと回復するという訴えがあると思います。

また血管性ならしゃがんでも治りません。この場合は閉そく性動脈硬化症やバージャー病などの阻血性疾患の可能性がありますので、他科コンサルトが必要と考えます。医師に相談しましょう。

次に歩行時のしびれをさらに分析します、

 

1)歩く前からしびれていて歩いても症状は同じ 

2)歩くと増悪する →間欠性跛行

3)歩いたらしびれは楽になる

のパターンがあると思いますので、問診で確認します。神経性間欠性跛行の場合は間欠性跛行を起こさずに持久力向上させる運動療法を考えて行うのがよいと思います。エアロバイクなどですね。また、薬物療法や神経ブロック療法など治療は必須だと思います。ここまで話しても間欠性跛行は徒手で治るというセラピストもいますが、神経症状そのものはリハビリでは改善しませんので、チームで対応するべきです。MMTや腱反射も確認しておきましょう。

 

2、の神経根症状のしびれの場合は、感覚鈍麻脱失や筋力低下がしびれの領域に出ているかを確認します。出ている場合は神経根症状の可能性はありますが、通常感覚鈍麻の領域にしびれが重なっていたとしても、圧迫というよりメカニカルストレスによる神経炎症によるしびれの可能性が高いと思います(神経障害性ではなく侵害受容性のしびれ)。なのでこれも神経要因と分かったとしてもまずは薬物や神経ブロックの方が効果的と思いますので、医師に任せます。ただメカニカルストレスの除去に関しては姿勢改善やアライメント改善筋力改善有効ですので、しびれの再発予防のため運動療法は開始し治療と並行して行います。

 

ここまでで気づかれたと思いますが、しびれをリハビリで治そうとはしないこともあります。

 

3、のアロディニアはしびれの領域が触れても痛いという状態になっています。これは神経変性が起こっているか、中枢性神経系が可塑的変化を起こしている状態です。治療を並行してリハビリを行いますが、非常に複雑な病態のためここでは割愛します。チーム医療で多面的な介入を行います。

 

4、のその他ですが、これは中枢性感作もしくは筋筋膜痛がしびれを起こしていることが考えられます。通常しびれのある部位は正座した後のようになることが多いですが、筋筋膜症状の場合は触れても特に問題がなく、筋の圧痛があることが特徴です。そして圧痛から放散痛が起こり、しびれが再現するようなことが起こります。この場合は筋筋膜の関与が確定しているとみてよいでしょう。この場合は局所への徒手的療法となぜ筋筋膜に異常が起こっているのかを分析し、筋緊張をコントロールするような運動を行っていくとしびれも改善することが多いです。その時に筋の圧痛は改善していることが多いです。神経が原因のしびれには筋の圧痛はあまりなく、あったとしてTinelサインなのでこのあたりの鑑別も行っておきます。

 

リハビリでよくなるしびれとよくならないしびれ。良くなるしびれもあり、医師と協働してしっかり評価介入することが大臣だと思います。

 

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